ワタシネマの管理人、ファイアンめぐみです。

先日、私の地元のミニシアター、下高井戸シネマで『おかえり、ブルゴーニュへ』を観てきました。フランス好き、ワイン好きの方はもちろん、最近、故郷に帰っていない人にもぜひ観ていただきたい映画です。

あらすじ
父が危篤だという知らせを受けた長男のジャンは、10年ぶりに故郷であるブルゴーニュに戻ってきます。彼の家は、祖父の代からワインを作り続けてきたドメーヌ。昔はジャンもドメーヌを手伝っていたのですが、父親と意見が合わず、歪み合うようになり、逃げるように実家を出て行ったのでした。妹弟との10年ぶりの再会を喜ぶのもつかの間、父は息を生きとってしまいます。残された3人は遺産相続税を支払わなくてはならなくなり、畑を売るという選択に迫られ…

冒頭で流れるのは、見とれてしまうほど美しいブドウ畑の景色です。
暖かい日差しを受け、少しずつ芽吹き始める春。青々とした葉が広がり、ブドウの実が育つ夏。赤や黄色の紅葉がブドウ畑を彩る秋。そして、雪に覆われ真っ白になる冬。はたから見れば絵葉書になるような美しい景色なのですが、実際の生活はもっと泥臭く大変な毎日の繰り返し。

実はわたし、ワイン作りって優雅で華やかなんだろうな〜なんて勝手なイメージを抱いていたんです。だってお城のような場所でワインを作ってるところもあるし、オークションで競売にかけられるほどの高級ワインを作るドメーヌもある。

でも実際は、生産者は「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神で、ブドウと向き合い、自然と向き合いながら、汗水垂らして自分なりのワインを作っているんです。ワイン作りはいわば、農業。この映画は、そんなドメーヌの日々をありのままに映し出します。

ワイン作りを通じて浮き彫りになっていくのが、3人のストーリーです。父とのわだかまりを抱え、妻ともいがみ合ってしまうジャン。思い通りのワインが作れず悩むジュリエット。義父からワイン作りの才能がないと言われ落ち込むジェレミー。

それぞれが、それぞれの悩みを抱えながら、ブドウ畑に寄り添い、そこで答えを見つけ出していく等身大のリアルがここにあります。焦ってもダメ、急いでもダメ。まるでそれは、ワインの熟成を待つかのように…

鑑賞後はとても清々しい気分になれ、心地よい余韻が残ります。
3人はお互いを支え合いながら、自分の土地でどんな答えを見つけるのでしょうか?

*知っておきたいワイン用語*

ドメーヌ:ブルゴーニュ地方のワイン生産者を表す用語。自らブドウ畑を所有し(畑の賃借も含む)、栽培・醸造・瓶詰を一貫して行うワイン生産者のこと。

1級畑:畑の格付けを表す用語。ブルゴーニュの畑は、特級→第1級→村名ワイン→一般広地域名ワインの順に格付けがされています。

除梗率:「除梗」はブドウの房から果梗を取り除くこと。除梗率70%であれば30%は梗を残して醸造することを意味します。どれだけ削るかによってワインの味が違ってきます。

ビオディナミ農法(バイオダイナミクス農法):化学品を排除するだけではなく、自然の力を使ってブドウ本来の力を引き出す栽培方法。

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