10年以上も前に公開された映画『この森で、天使はバスを降りた』。日本ではあまり知られていないキャストばかりなのですが、騙されたと思って観てください!

あらすじ
刑期を終えた女性パーシーは、まっさらな状態で第二の人生を始めようと、ある小さな田舎町に降り立ちます。町の溜まり場「スピットファイア・グリル」で働き始めるも、町の人は彼女の過去に不安を隠しきれない様子。けれど、レストランオーナーのハナや、シェルビー、便利屋のジョーなど、次第にパーシーに心を開く人が増えてきます。そんな時、ハナがレストランを売却したいという話を聞き、パーシーとシェルビーは「作文コンテスト」で買い手を募ろうという話を持ちかけます。ハナの元には次々と作文が届き、事は順調なように見えるのですが、ある事件をきっかけにパーシーへ再び疑惑の目が向けられるように……

温かい人々とのふれあいが胸の奥に抱える傷を癒してくれる。何気ない日常をテーマにしているのに、心に染みるストーリーです。パーシーの過去、ハナが隠している秘密、そしてシェルビーと夫との関係が物語りを通して少しずつ明かされていきます。そのどれもが失敗や罪を覆い隠そうとしているのではなく、認めたくない、思い出したくない過去であったり、誰かを思うあまり秘密にしておきたい事だったりするのです。だからこそ、これが心温まる映画に仕上がっているんでしょうね。

パーシー役を演じたアリソン・エリオットは、長い間刑務所生活を強いられてきたパーシーのタフさとナイーブさを上手く演じています。彼女のなまりも良い。頑固者、知りたがり屋でおせっかいなおばさん、ヒーローぶって正義感の強い人など、多くのステレオタイプが登場するのですが、それがまた90年代の映画っぽくて好きです。

生まれも育ちも東京の私にとって、田舎町の生活は物語や映画の中でしか味わえないのですが、人間関係が濃密で、時にはめんどうくさそうな田舎の生活も悪くないなぁなんて思ったりして。劇中に映し出されるメイン州の広大な自然は観る人の心を癒してくれます。

鑑賞後はなんだか心がふわりと軽くなるような、すがすがしい気持ちにさせてくれる映画です。

Comments are closed.