『源氏物語 千年の謎』

千年たった今もなお語り継がれている源氏物語。しかしその作者、紫式部の素性は謎に隠されたまま。映画『源氏物語 千年の謎』は紫式部が『源氏物語』を書くに至った秘話と、物語に託した思いを明かします。

映画では、藤原道長に仕える紫式部を追った現実の世界と、光源氏が引き起こす恋愛悲劇という空想の世界が交錯します。紫式部のバックストーリーを描写するという点では新たな試みなのですが、源氏物語のインパクトが強いせいか、紫式部が生きた現実の世界に物足りなさを感じてしまいました(現実というのはこういうものと思えば、そうなのですが…)。

紫式部を演じたのは中谷美紀さん。彼女の端正な顔立ちやミステリアスな雰囲気は、謎多き最古の恋愛作家という紫式部のイメージと重なりました。しかし彼女の振る舞いがあまりにも浮世離れしているので、仙人のような彼女が感情を露にした恋愛憎悪劇を描けるのかと疑ってしまいたくなるほど。もう少し人間らしい紫式部が見たかったというのが本音です。

光源氏という大役を仰せつかったのは生田斗真くん。彼が主演の映画を観るのは今回が初めてなのですが、彼、男前ですね~。あんなに美しい男性だったら、愛や悲しみ、ジェラシーや憎悪に溢れた恋愛劇もありえるなぁと一人納得していました。

鑑賞後に小耳に挟んだ5、60代のおじさんたちのコメント、
「やっぱり、女性には優しくしなきゃねぇ…」
ウフフ、ちょっと納得してしまいました。

次々と女性と関係を持っていく源氏の心情を理解するのは難しいのですが、世の中の男性方が彼に学ぶことは多い気がします。なんたって源氏は平安のプレイボーイ! 女性の扱いは天下一品。褒め言葉をさりげなくかけ、心遣いを忘れない、そして何があろうとけっして女性を責めない。紳士な彼に求められたら拒めない女性の気持ちよ~く分かります。

長い源氏物語を凝縮し、ストーリーの要となる部分を見事に映像化した映画です。生霊のシーンや政のシーンはお決まりっぽさがあり、『千年の謎』というタイトルに負けしているという声も聞こえてきそうですが、煌びやかなシーンと超豪華キャストによるモダン絵物語に仕上がっています。

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