キャリー・マリガン主演の『17歳の肖像』は、少女が大人へ成長する過程がキメ細やかに、ロマンチックに描かれています。

あらすじ
厳格な父親(アルフレッド・モリーナ)に育てられた16歳のジェニー。パリでの生活を夢見るも、オックスフォード大学へ進学するため、勉強とチェロのレッスンばかりの退屈な日々を過ごしていました。 そんなある日彼女は、年の離れた男性デイヴィット(ピーター・サーズガード)に出会います。学校、教師、教科書からしか学んだことのない彼女にとって、デイヴィットが連れて行ってくれる一流のレストラン、クラシックコンサート、ジャズバーは全く新しい人生の教育でした。大人の世界に導いてくれる彼に次第に惹かれていくジェニー。彼女の17歳の誕生日を祝うため、二人はパリへ飛び立ちました。夢のような日々を過ごすジェニーですが、ある真実を知り、現実に引き戻されてしまいます。

舞台は1961か62年。ちょうど、フラワー・パワーやビートルズがブレイクする前の、ちょっと退屈で質素な時代。倹約主義でルールベースの社会に苛立ちを覚える少女ジェニーは、まさに楽しいモノに飢えていた当時の若者の象徴のよう。

主演のジェニーを演じたのはキャリー・マリガン。少女のようなあどけない眼差しがとっても魅力的ですよね。デイヴィットがリードする大人の世界と、父親から押し付けられている学校の間に板ばさみになりながらも、自分で考え自分の行動に責任を持つ自立した少女を演じています。過ちを犯したり、誰かを傷つけてしまっても、それは若気の至りではなく、今後の自分のための人生の糧となるんでしょう。可愛らしい顔の奥に秘められた芯の強さが素敵でした。

デイヴィットを演じたのはピーター・サーズガード。息を飲むようなカッコよさはないのですが、優さに溢れた青い瞳と、ちょっと貫禄のある佇まいが「大人の男性」の魅力を放っています。経験豊富な男性、教え上手な男性ってやっぱり憧れます。

さて、注目したいのがクラシカルでグラマラスな60年代ファッション! ジェニーが成長し変身していく様子がファッションのアイテム一つひとつに現れていて、観ていて本当に楽しいのです!

少女っぽさが強調されているグレーの制服。セクシーさを押し殺し、謙虚で上品な女性を教育する学校にありがちですね。デイヴィットに出会い、ジェニーのファッションは上品だけれど大胆なものになっていきます。私が好きなのは、パリで着るブルーのティードレス。上品なのだけど遊び心たっぷり。ジェニーが感じている開放感を反映しているかのよう。そして、ドッグレースに着ていったシフォンドレス。大胆な色使いが素敵な一着です。

年上、経験豊富、包容力がある、難しい父親ともうまくやっていける…
まさに理想の男性!! と言いたいところですが、それは観てのお楽しみ。

最初の恋や初めての男性のこと、女性はきっと覚えています。嬉しいことも悲しいことも。だって彼らは人生の転機をくれた大切な人だから。17歳の自分、思い出せますか?

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