みなさんはOccupy Wall Street(オキュパイ・ウォール・ストリート 直訳:ウォール街を占領せよ)という活動をご存知ですか?
アメリカでは今年の夏あたりからオキュパイ・ウォール・ストリートの活動が始まり、日本でも10月15日に「オキュパイ・トーキョー」が行われました。

オキュパイの活動家達の多くが、広がる格差の原因は利潤追求のためにお金をゲームのように操作するウォール街の人々であると指摘しており、彼らを擁護する資本主義、さらには資本主義を崇拝するアメリカの政治に対して警鐘を鳴らしています。しかしながらオキュパイ・ウォール・ストリートはこれまでのデモと違い、活動家達の要求が明確になっておらず、解決への糸口が見えていないのが現状です。

オキュパイに至るまでの背景をユーモラスに描いているのがマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー『キャピタリズム~マネーは踊る~』です。

キャピタリズム(資本主義)が生活の根本にあった人々は、幼い頃から自由競争や利潤追求は幸せな生活を送るために必要不可欠だと教え込まれてきました。一生懸命働けば家族を養え、庭付き一戸建てが買え、子ども達は十分な教育を受けられ、安心して老後を迎えられる…… アメリカン・ドリーム的生活を夢見た人々は今、長年住んだ家を追い出され、家族とともに路上で生活をし、高い医療費が払えないために病気になっても治療を受けられない。中流階級は消え、今は富裕層と貧困層しか残っていない。何故こんなことが起こってしまったのか。それは、超富裕層と政治家の巧みな政策のせいでした……

資本主義の犠牲者となった人々の言葉をしっかりと拾い上げると同時に、格差を利用する政治家や企業の貪欲ぶりを浮き彫りにしています。自らウォール街の金融企業に乗り込むなど、マイケル・ムーアらしい体を張った演出が面白い。そして観客に国民の底力を見せ、格差撲滅運動への参戦を訴えるエンディングもなかなか。

格差拡大はアメリカだけの問題ではありません。日本でも非正規労働者の増加、リストラ、減給などにより、貧困層はますます広がっています。これは企業と労働者だけの問題ではありません。政治と国民の問題でもあると思います。国民は自分たちの権利を理解し、声高にその権利を求める必要があります。企業や政治の不正を見過ごしているとその被害は自分たちが被るはめになるのです。社会に対する不平や不満を怒りや暴力で表現するのではなく、正統な方法で聴かなければならない人にしっかりと伝えたい。日本にいる私たちもオキュパイ活動家に見習い、私たちの手で私たちが住みやすい社会を築いていかなければと思います。オキュパイ・ウォール・ストリートはこれから私たちが一丸となって進まなければならない道のスタート地点に過ぎないのかもしれません。

カフェグローブでコラムを執筆している茶園瞳さんがオキュパイ・ウォール・ストリートに至るまでの背景を分かりやすく説明しています。是非読んでみて下さい。

『オキュパイ・ウォール・ストリートからオキュパイ・トーキョーへ 広がる反格差運動はどこへ向う?』

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