リメンバー・ミー (シネマカフェ独占試写会)

「私を忘れないで」という題名のこの映画は、3.11を経験した私の心に、深くそして切なく響き渡りました。

死とはあまりにも突然に訪れるもの。

大切な人を失ったタイラー(ロバート・パティンソン)とアリー(エミリー・デ・レイヴィン)。心に深い傷を負ったもの同士、分かり合い、支えあい、愛し合っていくのですが、ここで注目したいのが、タイラーとアリーの死の受け止め方の違い。タイラーは兄の死後、書店でバイトをしたり、学生ではなく聴講生として大学へ行くなど、あえて地に足をつけない生活を送っています。仕事一筋で家族のことを気にかけない父親とも上手くいかない日々。兄と最後に行ったダイナーへ度々訪れ、兄に向けて自分の思いを書き続けます。過去への後悔や疑問に囚われて、現実に目を向けない生活。一方アリーは、幼い頃に母親を失ったせいか、自立心が強く、一瞬一時を大切に生きている感じ。

「大切な人の死」から学び、前に進もうとするアリーは、「大切な人の死」に追われ、縛られているタイラーを救い、彼とともに今を精一杯生きようとします。

3.11。あの日、何千人という人が命を失いました。彼らは今、私達にどんなメッセージを投げかけているのでしょうか…… 「元気ですごしてね」「離れていても一緒だよ」「もう一度顔が見たかった」…
その中にはきっと「私を忘れないで」もあるのでは。
あれから5ヶ月が経とうとしています。余震に恐怖を覚える日々が続き、放射能汚染に翻弄されましたが、今の私は穏やかな幸せで包まれています。愛する娘と過ごす日々、大切な夫に支えられる生活、健康な体。決してドラマチックな生活では無いけれど、毎日が平和で温かい。住む場所があって、温かい食事が食べられることがこんなにも幸せなことかと噛みしめています。

大切な人を亡くすなんて、想像もできません。想像したくもない。ただ、私には未来を予知する力もなければ、震災や事故を止める力もない(事故を防ぐためにできるだけのことはしているけれど)。人生には確実な始まりがあると同時に、決定的な終わりも訪れます。もし、先立った者のメッセージが「私を忘れないで」なのならば、その人との思い出がこの上なく素晴らしいものであるよう、今を大切に生きようと心から思うばかりです。

リメンバー・ミー:大切な人との思い出はあなたの胸で息づいていますか?
リメンバー・ミー:大切な人は天国であなたのことを思ってくれていますか?
リメンバー・ミー:大切な人を失った日の教訓を覚えていますか?

家族と繋がり合うこと、人を愛すること。何気なく過ごす毎日には素晴らしい喜びが溢れていることを、この映画は確認させてくれました。

最後に、ガンジーの言葉で終ります。
Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.
(明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学ぼう)

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