6つのショートストーリーが織り成す『夜のとばりの物語』。ポスターからもわかるように、ミッシェル・オスロ監督が得意とする影絵的な手法で作られた作品です。

前作の『アズールとアスマール』ではコラージュや3Dを駆使し、煌びやかな映像を作り出した監督ですが、何故今回はシンプルな影絵という原点に戻ったのでしょうか。

「今回の作品では蝶々が花の周りを飛び回るように軽やかに楽しめる作品を作りたかった」

確かに、6つのストーリーにはそれぞれ様々な舞台や衣装が用意されており、どれをとっても個性的で美しいのです。さらに、狼男や瓜二つ姫、ドラゴンやイグアナなど、形も大きさも違うキャラクターが登場し、ファンタジー要素も盛りだくさん。シンプルな影絵は観客の想像力を駆り立てる力があり、すぐに物語に引き込まれてしまいました。

上映前には、オスロ監督と声優を務めた坂本真綾さんが壇上。どのストーリーが一番好きですかと聞かれた際に監督は、「映画作品は私の子どものようなものです。一つ一つが個性的で素晴らしい。甲乙つけることはできません。もちろんこれからも愛すべき子ども達を沢山作っていきたい」と答えていました。一方、坂本さんのお気に入りは3番目の「美女」が出てくるストーリー。これは美女が可愛そうな運命にあるお話です。文化や価値観は違うのですが、ストーリーが伝える普遍的なテーマは非常に共感できる内容です。

ステンドグラスのように鮮やかで美しい作品です。是非、皆さんの好きなショートストーリーを見つけて下さい。『夜のとばりの物語』は6月30日より新宿バルト9にて公開です。

さて、会場を出ると臨海エリアのシルエットが私たちをお出迎え。

まるでオスロ監督の映画を観ているような気分になるくらい美しい景色でした。
ここ東京という都会でも「夜のとばりの物語」が始まりそうです。

Comments are closed.