2008年に起こったサブプライムローン問題、そして相次ぐ大規模投資会社や保険会社の破綻は、いまだ記憶に新しいですよね。世界中であまりにも大きな波紋を及ぼしたにもかかわらず、その実態と原因は謎に包まれていました。『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる事実』はなぜこのようなことが起こったのか、いったい誰が引き起こしたのか、誰が仕事を失い、誰が巨額の金を手にしたのかなどを、非常に分かりやすく説明しています。

サブプライム問題は悪徳で複雑な金融商品によって引き起こされました。ここで詳しい内容を説明するのは難しいので、是非『インサイド・ジョブ』を見てください。

さて誰が損失を受けたのでしょうか? それは、サブプライムローンを組んでしまった人々。返済計画が無いまま高い金利のローンを組まされたゆえ、ローンが払えなくなり、家を差し押さえられ、路上生活を余儀なくされました。アメリカにはいくつものテント村が存在しており、規模は次第に大きくなるばかり。

破綻した企業と取引のあった会社で働く人々も大きな被害を受けました。金融機関から融資を受けていた企業や製造工場は経営が困難になり、何万人という人が解雇されました。収入源がなくなった人々はローンが払えないどころか、食品や生活必需品が買えないのです。さらにアメリカには北欧のような手厚いセイフティーネットがない。医療費や教育費の高さといったら! アメリカの失業率はいまだ9%前後です。生活するために複数のパートを掛け持ちし、低賃金で長時間労働を強いられている人が沢山います。

では誰が利益を得たのでしょうか? それは破綻した企業のCEOやエグゼクティブ。彼らはサブプライムローンのリスクを熟知しながらも、ローンを売り続け、巨額のボーナスを手にしました。驚くことに、破綻後も政府の救済措置を受け、救済金額の多くを自分のポケットへ忍ばせています。さらに、彼らはオバマ政権内のアドバイザーや官僚職に就き、現在も規制緩和を呼びかけ政府に多大な影響を及ぼしています。

本作品の監督、チャールズ・ファーガソンは教育システムにも非があると指摘しています。ハーバード大学やコロンビア大学といった一流大学のビジネス教授たちは、これから社会で活躍しようとする学生たちにサブプライムを引き起こしたハイリスク・ハイリターンな、自由市場の恩恵を搾取するようなビジネス理念を教えています。彼らはまた、金融企業の重役となったり、金融業界や商品を賞賛するようなレポートを発表し巨額の報酬を受けています。

映画を観て思うのは、大企業破綻後も金融ビジネスの根本は全く変わっていないということ。オバマ大統領は就任する際、金融企業に対する厳しい管理機関の設置や、規制緩和を食い止めることを約束しましたが、結局どれも実現されず… 実際オバマ大統領を取り巻く官僚たちは金融界出身の人が多いのですから。

 

映画はこのように締めくくられています。

The men and institutions that caused the crisis are still in power; and that needs to change.
金融危機を引き起こした当事者たちはいまだに権力を握っている。これは絶対に変えなければならない。

They will tell us that we need them, and that what they do is too complicated for us to understand.  They will tell us it won’t happen again.  They will spend billions fighting reform.
彼らは言うだろう。私たちは彼らが必要だ、彼らがやっていることは複雑すぎると。彼らは二度と同じ過ちは起きないと言うだろう。そして彼らは何十億という金を使い金融改革を食い止めるだろう。

It won’t be easy.  But some things are worth fighting for.
簡単にはいかない。しかし、この問題は戦う価値があるのだ。

 

どのようにして戦うべきか非常に頭を悩ませています。色々考えてはいるのですが…

ビジネスとしては、
・グローバルマーケットではなく、ローカルマーケットに焦点を当てたビジネス展開
・短期スパンでの利益追求ではなく、長期スパンでの持続可能なビジネスプラン
・お金の取引ではなく、物々交換的な取引や地域マネーでの取引の充実

個人としては、
・彼らの金融ゲームに参加しない
・終身雇用はありえない。企業に頼るのではなく自分で稼ぐ力をつける
・職業の専門性も必要だけれど、多様性も必要(これしかできませんじゃなく、いろいろできますといえるほうが収入源が多様化されて安定する)
・政府にたよらないセイフティーネットを作る(コミュニティーの形成)
など。

私はフリーランスですので個人レベルでのリスクヘッジをしていこうかと。
皆さん、他に何か良いアドバイスがあれば教えてください。

P.S.
長~い記事を読んでくださって有難うございました!

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